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ついったーでたまにぺそっと上げてたSSを格納。
そうしないと自分がファイルを見失うから……!

ちなみにあおいは煙草吸ったことないです。
このSS書くために一度だけ吸ってみようかとも思ったのですが、
ライターの火とかこわいし……。熱いし……。

ガスコンロの火なら料理でいつも使ってるからこわくない?とか考え出して30秒後我に帰って、
煙草の代わりにシガレットチョコを買いました。


床に座り込んだ陽子は、ごくりと息を呑んだ。
目の前には四角い小さな箱。
それを手に取り、じっと見つめる。

「………………」

無言で頷く。

少しへちゃげたその蓋を開け、中身を1本取り出す。
数瞬ためらってから、震える手で陽子はそれを咥えた。

台所から持ってきたライターをぽしゅっと鳴らす。
じんわりとした熱が広がった。小さく揺らめく炎に、その咥えたもの……アルバートが忘れていった煙草の1本をかざす。

吸い込むと、口の中に煙が充満した。ぷふー、と吐き出す。

細い煙が立ちのぼり、陽子の鼻をくすぐる。
アルバさんがいつも漂わせている匂い。

ふぅ、と息をついた。
なんだ、簡単じゃない? どこか誇らしげな笑みが自然と顔に浮かぶ。

煙草の匂いは大嫌いだけど、アルバさんの匂いは好き。
アルバさんはさっき帰ってしまったけど、この煙草の匂いは少しだけ、彼の気配を感じられる。

ちょっと調子に乗って、陽子はもういちど煙草を咥え、煙を深く吸い込んだ。

「……っ!? げほ! げほごほ! こほっ、こほ!」
急激にむせた。頭がぐらぐらする。酔ったというよりは頭を机の角にぶつけたときみたいな衝撃。
涙が目の端に溢れる。

「あーあー。陽子ちゃーん」

ぐらぐらする身体が後ろから抱きとめられた。
なんとか取り落とさなかった煙草は、ひょいと大きな手に取り上げられる。

「おぃさんこれは陽子ちゃんにはキツすぎると思うぜぇ?」

取り上げた煙草を自分の口に咥え、アルバートは腕の中の陽子に苦笑を投げかけた。

「う、うぅ……そう、みたいですね……けほっ。いつから見てたんですか……」

陽子は目尻に浮かんだ涙を拭って、赤らんだ頬を隠すようにアルバートの胸に顔をうずめた。
さっきの煙草と同じようで、もっと深くて広い匂い。煙草より本物のアルバさんの匂いのほうが好き。

「んー? 今これを取りに来たとこだよ。
 煙草はあんまりお勧めしないなぁ、陽子ちゃんには甘いパンのほうが似合うさ」
「……じゃあ、…………てください」
「ん?」

顔をアルバートの胸にうずめたまま、ちいさな声で陽子がつぶやく。
うまく聞き取れず首を傾げたアルバートに、ぷぅっと頬を膨らませた。

「……なんでも、ないです」

ずっとそばにいてください。
感じていたいのは煙草じゃなくて、あなたの匂いなんですから。



 

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